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基本ルール/戦闘

目次

戦闘の概要
接近戦
飛び道具
行動オプション
特殊な状況
選択ルール

戦闘の概要

1.基本的な用語

(1)ラウンド

 「ラウンド」とは、戦闘中の時間の経過を計るための単位です。あくまでも漠然とした時間の経過を表現していますが、目安として「1ラウンド=6秒程度」と考えてください。つまり、便宜上は10ラウンドを1分として考えることになります。

(2)行動順

 戦闘が始まる場合、まず最初に「行動順」を確認します。「移動力」が大きいものから順番に、そのラウンドでの自分の行動を処理できます。
 もしDXが同じ者がいた場合には、D6を振り合って大きい目を出した者が後から行動できます(同じ目が出た場合は、決着が付くまで振り直します)。原則として、行動の順番はこのときに決めた順番で固定されます。

(3)移動量

 移動量は、戦闘中に用いる抽象的な概念です。基本的には、1m移動した場合の移動量を「1」と考えてもらってかまいません。

(4)ビジー状態とフリー状態

 誰かと接近戦を行なっている場合、「そのキャラクターはビジー状態である」といいます。一方、誰とも接近戦を行なっていない場合、「そのキャラクターはフリー状態である」といいます。ビジー状態とフリー状態では、取りうる行動が異なります。

(5)攻撃の優位性

 攻撃が成功するかどうかの判定は、基本的に「攻撃側のロール値」と「防御側のロール値」とを比べ合う比較ロールで行ないます。このとき、攻撃側・防御側の双方の「ロール値」が同値だった場合は、攻撃が成功したことになります。

(6)自動的成功と自動的失敗

 攻撃と防御の判定ロールにおいても、自動的成功と自動的失敗は起こります。もしも自動的失敗を振ってしまった場合は、当然1点の疲労を負います。
 双方の出目がともに12だった場合、あるいはともに2だった場合は、攻撃が命中したものとします。つまり、ここでも攻撃の優位性が適用されるわけですが、攻撃が命中していようといまいと、出目で2を振った場合には1点を疲労することに注意してください。

(7)戦闘中の疲労

 戦闘中には頻繁に判定ロールを行ないますが、その際に1ゾロを振ってしまうと、もちろん通常どおり1点疲労します。
 しかし戦闘中は、非常に高い集中状態を保ちつつ、短時間に激しく肉体を酷使します。そのため、戦闘中の判定ロールでは、普段よりも疲労してしまう可能性が高まります。
回避による疲労
 物理的な攻撃を回避する際には、1ゾロだけでなく、4以下を振ってしまったときにも1点疲労します(回避の成否は関係ありません)。
攻撃による疲労
 武器を振るって攻撃する場合には(接近戦・飛び道具を問わず)、1ゾロだけでなく、4以下を振ってしまったときにも1点疲労します(攻撃の成否は関係ありません)。
 ただし、これは、その武器の必要STがキャラクターの限界と同値である場合です。もし必要STがキャラクターの限界より1軽い(小さい)場合は、疲労するのは判定ロールで3以下を振ったときだけです。もし必要STが2以上軽ければ、疲労するのは通常どおり判定ロールで1ゾロを振ったときだけで済みます。
 この疲労は、武器によって攻撃を受ける場合には適用されません。武器受けによる疲労は、通常どおり1ゾロを振ったときだけです。
移動による疲労
 戦闘中に全力移動をした場合には、自分の手番に1点を疲労してしまいます。

2.ラウンド内にできる行動

(1)能動的な行動/ビジー状態のとき

 ビジー状態では、1ラウンドの移動量は2以下に限られます。これはつまり、ほぼ停止した状態であり、2m以内の移動などがこれに当たります。ただし、移動力が2以下であれば、その場から動けません。
 キャラクターは特に何のペナルティもなしに以下のような行動を取れます。

 ・接近戦による攻撃をする。
 ・武器投げによる攻撃をする。
 ・武器/楯の持ち替え
 ・魔法などの特殊な行動。
 ・体勢を立て直す(転倒からの復帰など)。
 ・落ちている物を拾い上げる。

 また、これらの能動的な行動をすべて諦めて、ビジー状態を抜け出そうと試みても構いません。これについては後述の「ビジー状態からの離脱」を参照してください。

(2)能動的な行動/フリー状態のとき

ほぼ停止
 1ラウンドの移動量は2以下に限られます。これはつまり、ほぼ停止した状態であり、2m以内の移動などがこれに当たります。ただし、移動力が2以下であれば、その場から動けません。
 キャラクターは特に何のペナルティもなしに以下のような行動を取れます。

 ・接近戦による攻撃をする。
 ・射撃による攻撃をする。
 ・武器投げによる攻撃をする。
 ・武器/楯の持ち替え
 ・魔法などの特殊な行動。
 ・体勢を立て直す(転倒からの復帰など)。
 ・落ちている物を拾い上げる。
警戒移動
 1ラウンドの移動量は「移動力×1」以内となります。  この場合、キャラクターは、以下のような行動を取れます。ただし、あらゆる判定ロールに−2のペナルティを受けます。

 ・接近戦による攻撃をする。
 ・射撃による攻撃をする。
 ・武器投げによる攻撃をする。
 ・武器/楯の持ち替え
全力移動
 1ラウンドの移動量は「移動力×4」以内となります。  この場合、キャラクターは原則として能動的な行動は取れません。また、受動的な行動を含むあらゆる判定ロールに−4のペナルティを受けます。
 戦闘中に全力移動をした場合には、自分の手番に1点を疲労してしまうことに注意してください。

(3)受動的な行動

 受動的な行動とは、物理的攻撃に対する防御や魔法に対する抵抗のことを言います。いずれの場合も、そのラウンド中の移動量によっては、ロール値にペナルティが加わるかもしれないことに注意してください。

(4)ビジー状態からの離脱

 ビジー状態からフリー状態へ移行するには、物理的な距離を確保するか、他に相手を引き受けてくれる味方に任せる必要があります。ただし、離脱が完了するのはそのラウンドの最後になります。離脱が完了するまでは、相手からの攻撃にさらされる可能性があることに留意してください。
 物理的な距離を確保するには、背を向けて全力移動すれば済みます(1点疲労してしまうことを忘れずに!)。相手も全力移動で追いかけてくるかもしれませんが、その場合は移動力の違いによって逃げ切れるか否かが決まるでしょう。他に相手を引き受けてくれる者がいる場合には、警戒移動でも離脱することができます。
 当然ながら、もし相手が逃げる前に一太刀を浴びせようとした場合、あらゆる防御行動において移動によるペナルティを受けてしまいますから、全力移動なのか警戒移動なのかは大きな違いと言えるでしょう。

接近戦

1.攻撃

 攻撃側は、【接近戦】のスキルLVをベースとしてロール値を算出します。攻撃手段に関する特化の有無に注意してください。このとき、防御側が狙われていることに気づいていない場合は、判定ロールをするまでもなく、攻撃は命中します。
 攻撃を試みた場合には、判定のために振る2D6の出目が1ゾロ以外でも、疲労してしまう可能性があることを忘れないでください。

2.防御

 防御側は、以下のいずれか取りうる手段で、防御側のロール値を算出します。あるいは、攻撃を当たるに任せてもかまいません。
回避
 回避は1ラウンドに何度でも試みることができます。ただし、回避を試みた場合には、判定のために振る2D6の出目が4以下だった場合に疲労することを忘れないでください。
 相手の攻撃に対して回避を試みる者は、【接近戦】のスキルLVをベースとしてロール値を算出します。【回避】の特化の有無に注意してください。
楯による受け
 装備している楯をそのラウンド内でまだ一度も使っていない場合は、相手の攻撃を「受け」てみることができます。ただし、楯による受けは、1ラウンドに1回しか行なえません。
 相手の攻撃に対して楯による「受け」を試みる者は、【接近戦】のスキルLVをベースとしてロール値を算出します。【楯】の特化の有無に注意してください。
 楯によるロール値の修正を忘れないようにしてください。
武器による受け
 装備している武器が「受け」に使えるものであり、なおかつそのラウンド内でまだ一度もその武器を攻撃にも防御にも使っていない場合は、相手の攻撃を武器で「受け」てみることができます。
 ただし、武器による「受け」もしくは武器による攻撃は、1ラウンドにいずれか一方しか行なえません。武器で攻撃を受けてしまうと自分は攻撃できなくなるし、自分がすでに攻撃をしていたのなら武器で攻撃を受けることはできないのです。
 相手の攻撃に対して武器による「受け」を試みる者は、【接近戦】のスキルLVをベースとしてロール値を算出します。使用している武器に関する特化の有無に注意してください。

3.負傷

 攻撃側のロール値が防御側のロール値以上だった場合、その攻撃は命中したことになります。ダメージは、「PS(パワースコア)」によって決まります。
 PSが決まったら、2D6を振ってその出目を加えてください。その値が、与えるダメージとなります。この値が0以下になった場合でも、最低でも1点のダメージを与えることができます(大抵は相手の装甲によって防がれてしまうでしょうが)。

 ・武器によるPS=武器の必要ST+武器のPS修正

4.クリティカルヒット

 攻撃手段によっては、致命的な打撃を与える可能性があります。ダメージを決定する際の2D6が攻撃手段ごとに定められた「C値(クリティカル値)」であれば、強力な負傷を与えることができます。これをクリティカルヒットと言います。
2種類のクリティカルヒット
 クリティカルヒットには「ダメージ加算」と「装甲無視」の2種類があります。「4/12」のように設定されているC値のうち、2D6の出目が、左側の数字以下であれば「ダメージ加算」、右側の数字以上であれば「装甲無視」となります。
 例えば、C値が「4/12」と設定されている武器であれば、ダメージを決定する際の2D6で「2」「3」「4」「12」が出ればクリティカルヒットとなります。このうち、「4/12」の左側の数字に表されているクリティカルヒット(2D6の出目が「2」「3」「4」)の場合は、もう一度2D6を振って、ダメージを加算できます。一方、右側の数字に表されているクリティカルヒット(2D6の出目が「12」)であれば、相手の装甲を無視できます。
 C値が「4/−」となっている武器では、「装甲無視」のクリティカルヒットは起こりえません。逆に、C値が「−/10」のようになっていれば、その武器ではダメージ加算のクリティカルヒットが起こりえません。
 「ダメージ加算」のクリティカルヒットは、追加で振り足した2D6でも繰り返し発生する可能性があります。ただし、「ダメージ加算」のクリティカルヒットによって追加で振った2D6で「装甲無視」のクリティカルヒットが起こることはありません。単純に数字だけを加算します。

5.負傷の軽減

 防御側は、負傷を受けてしまった場合に、装備している防具の「装甲」の分だけ負傷を軽減できます。

 ・装甲=防具の必要ST+防具の装甲修正

 防具を身につけていない場合は、負傷の軽減は一切できません。また、装甲無視のクリティカルヒットを受けてしまった場合も、負傷の軽減は一切できません。

飛び道具

1.飛び道具の処理方法

 飛び道具による攻撃は、接近戦とは異なる処理を行ないます。まず攻撃側は、攻撃対象に対して正確に飛び道具を飛ばすことができたかどうか、目標ロールを行ないます。そもそも武器が逸れている場合は、攻撃対象とされた者は一切の防御を行なう必要がないからです。防御側は、攻撃側の目標ロールが成功してはじめて、飛んでくる飛び道具に対して何らかの防御を行なうことになります。
 また、飛び道具ごとに決められている射程距離以内の目標に対してのみ、攻撃が可能であることに注意してください。
 飛び道具による攻撃を試みた場合には、判定のために振る2D6の出目が1ゾロ以外でも、疲労してしまう可能性があることを忘れないでください。

2.攻撃

 攻撃側は、【弓術】や【武器投げ】といった飛び道具用のスキルLVをベースとしてロール値を算出します。特化の有無に注意してください。
 目標ロールの難易度は様々な条件によって変化しますので、以下の表にしたがってください(攻撃対象までの距離によっては、ほとんど当てずっぽうで攻撃しているようなものになるでしょう)。

攻撃対象のサイズ
 ・コインなど=難易度21
 ・3S(ねずみ、小鳥など)=難易度19
 ・2S(猫、小型犬、カラスなど)=難易度17
 ・S(子ども、狼・犬・大鷲など)=難易度15
 ・M(大人、小熊・鹿・大型犬、自転車・単車など)=難易度13
 ・L(馬・牛・熊など)=難易度11
 ・2L以上(キリン・象、馬車・自動車など)=難易度9
攻撃対象の動き
 ・完全に静止=難易度+0
 ・射手に向かってくる=+1
 ・一定の速度で移動している=難易度+2
 ・激しく動いている/予測できない動き(戦闘中など)=難易度+4
攻撃対象までの距離
 ・10m以内=難易度+0
 ・30m以内=難易度+1
 ・50m以内=難易度+2
 ・70m以上=難易度+4

誤射

 攻撃対象とされた者を取り巻く状況によっては、その周辺にいる者に向かって飛んでいくかもしれません。
 誤射は、攻撃側が判定ロールで振った出目が4以下だった場合に起こります。このとき、たとえ難易度以上のロール値になっていたとしても、攻撃対象ではなく隣接者に飛び道具が命中しかかっていることになります。隣接者が複数いる場合は、どの隣接者へと武器が飛んで行ったかGMが適切に判断してください。
誤射のリスクが高すぎる場合
 例えば、群衆の中に攻撃対象が混じっているような状態では、攻撃側の出目が4以下だった場合に限らず、ロール値が難易度を下回っただけでも誤射が発生します。周り一帯に人がひしめいているのだから、攻撃対象を狙って放った飛び道具が狙いを逸れたら、どうあがいても必ず周りの誰かに向かって飛んでいくわけです。
 このような場合、普通は飛び道具の使用を控えるものですが、やむをえず飛び道具を用いるような状況になったときは、GMが適切に判断してください。

4.防御

 攻撃側の飛び道具が飛んできた場合は、防御側がその攻撃に気づいていれば、以下のいずれか取りうる手段で防御を試みることができます。あるいは、攻撃を当たるに任せてもかまいません。
 狙われていることに気づいていない場合は、一切の防御を試みることができません。攻撃側が勝手に的を外すことを期待するしかありません。
回避
 基本的には、接近戦における「回避」と同様です。攻撃側との比較ロールで判定します。
楯による受け
 基本的には、接近戦における「楯による受け」と同様です。攻撃側との比較ロールで判定します。
武器による受け
 基本的には、接近戦における「武器による受け」と同様です。攻撃側との比較ロールで判定します。ただし、武器によって飛び道具を受けるのはとても難しいので、ロール値が−2されます。

5.負傷

 防御側が判定ロールに失敗した場合、飛び道具は命中したことになります。ダメージは、PS(パワースコア)によって決まります。
 PSが決まったら、2D6を振ってその出目を加えてください。その値が、与えるダメージとなります。この値が0以下になった場合でも、最低でも1点のダメージを与えることができます(大抵は相手の装甲によって防がれてしまうでしょうが)。

 ・飛び道具によるPS=飛び道具の必要ST+武器のPS修正

6.クリティカルヒット

 飛び道具による攻撃においても、クリティカルヒットは起こりえます。接近戦におけるクリティカルヒットと同様に処理してください。
 ただし、最大射程の半分以内からの射撃でなければ、いかなるクリティカルも起こりません。例えば、射程距離が「80m/160m」の飛び道具で81m以上離れた場所から攻撃した場合は、クリティカルヒットは起こりません。もし80m以内の距離から攻撃していれば、クリティカルヒットが起こりえます。

7.負傷の軽減

 飛び道具による負傷についても、防御側が装備している防具の「装甲」が負傷を軽減してくれます。
 もちろん、防具を身につけていない場合や、装甲無視のクリティカルヒットを受けてしまった場合は、負傷の軽減は一切できません。

行動オプション

 以下には、戦闘時に取りうる行動オプションを列挙しておきます。
 行動オプションを選択する場合には、自分の手番のときではなく、ラウンドの最初に行動内容を宣言しなければなりません。

1.受動的な行動に「専念」する

 1ラウンドの移動量が「移動力×1」以内であれば、以下に挙げるいずれかの形で、受動的な行動に専念することができます(能動的な行動は一切行なえません)。
 警戒移動に相当する距離を移動する場合は、受動的な行動に関するロール値に−2のペナルティがつくことに注意してください(つまり、実質的なロール値へのボーナスは「+4−2=+2」となります)。
防御専念
・1ラウンドの間の回避・武器受け・楯受け:+4。
・能動的な行動は一切できない。
抵抗専念
・1ラウンドの間のVT抵抗およびWP抵抗:+4。
・能動的な行動は一切できない。
息を整える
 累積ダメージが衰弱ラインを超えた場合、「息を整える」という行動を取っても構いません。この行動は、最大5ラウンドまで連続して行なえます。
 息を整えている間は一切の能動的な行動が取れませんが、息を整え終わった次のラウンドからは「息を整えていたぶんと同じだけのラウンド数」を衰弱ペナルティなしで行動できます。ただし、息を整えている間に何らかのダメージを1点でも受けてしまうと、息を整えたことによる効果はすべて失われます。また、息を整えた後(衰弱ペナルティなしで行動している最中)にダメージを受けても、やはりその瞬間から息を整えたことによる効果はすべて失われます。
 例えば、3ラウンド何もせずにただ息を整えていたなら、次からの3ラウンドを衰弱ペナルティなしで行動できます。しかし、息を整えはじめてから3ラウンド目が終わるまでにダメージを受けたら、それまで息を整えてきたのは無駄に終わります(もしどうしても息を整えたいのなら、次のラウンドからまた息を整えなおさなくてはなりません)。あるいは、何とか3ラウンド息を整えた後に衰弱ペナルティなしで行動していたとしても、その2ラウンド目にダメージを受けたとしたら、以後は息を整えたことによる効果(衰弱ペナルティの免除)は失われてしまいます。

2.与えるダメージを増やす/減らす

与えるダメージを増やす
 接近戦・飛び道具を問わず、攻撃側は自分のロール値を任意でマイナスすることで、その分を与えるダメージに追加できます。例えば、自分のロール値を「−3」するのであれば、攻撃が命中した際に与えるダメージに「+3」できるのです。この行動オプションを選択する場合には、判定ロールの出目が6ゾロだったとしても自動的成功は起こりません(単に「12」という数値として判定を行います)。
 誰を攻撃してロール値をいくつマイナスするか(=ダメージを何点追加するか)は、ラウンドの最初に宣言しなければなりません。
与えるダメージを減らす(手加減)
 接近戦・飛び道具を問わず、攻撃側は自分のロール値を任意でマイナスすることで、その分を与えるダメージから減少できます。例えば、自分のロール値を「−3」するのであれば、攻撃が命中した際に与えるダメージを「−3」できるのです。この行動オプションを選択する場合には、判定ロールの出目が6ゾロだったとしても自動的成功は起こりません(単に「12」という数値として判定を行います)。
 この手加減において、ダメージ加算クリティカルは起こりません。ただし、装甲無視クリティカルは起こりえます。手加減の攻撃で装甲無視クリティカルが起きてしまった場合は、通常どおりに(つまり、ダメージの減少は一切ない状態で)ダメージを算出して、さらに装甲無視のダメージとしてください。
 誰を攻撃してロール値をいくつマイナスするか(=ダメージを何点減少するか)は、ラウンドの最初に宣言しなければなりません。

3.武器や楯の持ち替え

 持ち替えている最中の武器もしくは楯は、攻撃にも受けにも使えません。ただし、両手持ちか片手持ちかを選択できる武器で持ち方を変更する場合であれば、その持ち替えに費やしている1ラウンドの間は、ロール値に−2のペナルティを受けますが、攻撃や武器受けが可能です。
 持ち替える前の武器もしくは楯については、地面に放り出すのであれば一瞬でできます。持ち替える前の武器や楯をきちんと収納したいならば、武器や楯をひとつ収納するごとに丸々1ラウンドを費やし(この間は、武器や楯による受けは一切行なえません)、新しい武器や楯を装備するのにさらに丸々1ラウンドが必要になります(収納は武器や楯ひとつごとに1ラウンドが必要ですが、装備するのは1ラウンドで可能です)。
 少しややこしいので、いくつか例を挙げておきます。

例1
 ショートソードとスモールシールドを装備していた者が、ショートソードを投げ捨ててライトメイスに持ち替える場合、持ち替えは1ラウンドで完了します。完了するまでは、攻撃や武器による受けはできません。回避や楯による受けは可能です。
例2
 ショートソードとスモールシールドを装備していた者が、ショートソードを収納しながらライトメイスに持ち替える場合、ショートソードの収納に1ラウンドかかり、その後、ライトメイスを1ラウンドで構えることができます。ただし、最初の1ラウンド(ショートソード収納中)は、攻撃や武器による受け、楯による受けはできません。回避は可能です。次のラウンド(ライトメイスを構えるラウンド)は、攻撃や武器による受けはできません。回避や楯による受けは可能です。
例3
 ロングソードとスモールシールドを装備していた者が、両方を投げ捨ててグレートソードに持ち替える場合、持ち替えは1ラウンドで完了します。完了するまでは、攻撃や武器による受け、楯による受けはできません。回避は可能です。
例4
 ショートソードとスモールシールドを装備していた者が、両方を収納しながらライトメイスとラージシールドに持ち替える場合は、ショートソードとスモールシールドの収納に各1ラウンドずつ(合計2ラウンド)かかり、その後、ライトメイスとラージシールドを同時に1ラウンドで構えることができます。ただし、この合計3ラウンドの間は、武器による攻撃をはじめとする能動的な行動や武器・楯による受けは一切できません。回避は可能です。
例5
 バスタードソード(片手持ち)とスモールシールドを装備していた者が、スモールシールドを投げ捨ててバスタードソードの両手持ちに持ち替える場合、持ち替えは1ラウンドで完了します。この間、楯による受けはできません。ただし、武器による攻撃・受けは、ロール値が−2されますが可能です。もちろん、回避も可能です。

4.呪文の詠唱を始める

 呪文の詠唱は、行動オプションとして扱います。つまり、ラウンドの最初に、その旨を宣言しておく必要があります。
 呪文の詠唱については、ファンタジー用追加ルールも参照してください。

特殊な状況

1.装備に関する特殊な状況

素手による攻撃
 何らかの理由で、素手で戦うこともあるでしょう。その場合の素手のデータは以下の通りです。

・PS=ST−7
・C値=−/−

 素手による攻撃の場合は、出目が4以下のときに1点の疲労に加えて1点の負傷(この負傷ダメージには、装甲は効果がありません)も負ってしまいます。ただし、もし攻撃した者が【接近戦】スキルにおいて【素手】に特化している場合には、このペナルティは出目2のときにのみ発生します。
楯による攻撃
 普通はあまり考えられない状況ではありますが、望むなら楯を攻撃に用いることも可能です(もちろん、楯を攻撃に使おうと思うなら、そのラウンドに楯による受けを行なうことはできません)。楯を攻撃に使った場合のデータは以下のとおりです。

・PS=楯の必要ST−7
・C値=4/−

 攻撃の判定については、【接近戦】のスキルLVをベースにロール値を算出します。【楯】の特化の有無に注意してください。楯による攻撃を試みた場合、通常の攻撃と同様、判定のために振る2D6の出目が1ゾロ以外でも、疲労してしまう可能性があることに注意してください。
 大抵の場合においてキャラクターは逆腕に楯を持っているはずです。この場合は逆腕による攻撃となりますから、当然それなりのペナルティを受けます。考え方としては、別項の「逆腕に武器を持つ(逆腕によるペナルティ)」を参照してください。武器と楯を一度に装備している状態だけでは、武器の二刀流とはみなさないので、二刀流によるペナルティは適用されません。ただし、武器と楯とで1ラウンドに2度攻撃するのであれば、二刀流によるペナルティを受けてしまいます。
重たすぎる武器・防具
 何らかの理由で、自分のSTよりも必要STが大きな武器や防具を用いるかもしれません。その場合には、各行動に以下のようなペナルティが加わるので注意してください。

・武器:命中と武器受けのロール値が、STの不足分だけマイナス。また、攻撃の判定ロールの出目が「4+STの不足分」以下のときに疲労する。
・楯:楯受けのロール値が、STの不足分だけマイナス。
・鎧:回避のロール値および移動力が、STの不足分だけマイナス。

 楯については、もしも楯による攻撃をおこなうのであれば、当然、命中のロール値にも同様のペナルティが加わります。
 鎧については、移動力修正の影響を受ける行為全般(登攀など)についても、その行為の判定におけるロール値に同様のペナルティを受けます。
逆腕に武器を持つ(逆腕によるペナルティ)
 何らかの理由で(利き腕を負傷した、敵を欺くため、など)、利き腕とは逆の方の腕(逆腕)に武器を持つことがあるかもしれません。その場合には攻撃のときに−1のペナルティを受けます。
 逆腕に持つ武器の必要STは、STの半分以下(端数切捨て)でなければなりません。当然、装備している武器が必要STより重いか軽いか判断する際にも、STの半分(端数切捨て)を基準に考えなければなりません。
両手にひとつずつ武器を持つ(二刀流によるペナルティ)
 両手にひとつずつ武器を持つ場合でも、逆腕に持つ武器の必要STはSTの半分以下(端数切捨て)でなければなりません。
 両手にひとつずつ武器を持った状態では、攻撃に以下のようなペナルティが加えられます。もしキャラクターが両利きであれば、以下のペナルティから「逆腕」という概念がなくなり、右手も左手も利き腕として処理します。ただし、いずれかの腕に持つ武器の必要STがSTの半分以下(端数切捨て)でなければならない点については、両利きであっても同様です。
 武器による受けについては、利き腕でも逆腕でもペナルティなしで行なえます。

行動ペナルティ
利き腕だけで攻撃する−1
逆腕だけで攻撃する−2
両腕で攻撃する利き腕−2、逆腕−4

 二刀流によるペナルティを回避するために、片方の武器を放り出すのであれば、そのラウンドは放り出す方の武器での攻撃や受けは一切できません。残しておく(装備しておく)武器による攻撃や受けは普通に行なえますが、そのラウンドは二刀流によるペナルティから逃れることはできません。次のラウンドからは、二刀流によるペナルティを受けずに済みます。

2.その他の特殊な状況

(1)転倒

 何らかの理由で転倒している場合は、起き上がるのに1ラウンドを必要とします。また、起き上がりを行なうラウンドは、防御行動に−4のペナルティを受けます(抵抗についてはペナルティがありません)。
 もし転倒状態を維持する(寝転がったまま)のであれば、そのラウンドは防御行動に−2のペナルティを受けます。寝転がったままでも防御専念もしくは抵抗専念が可能ですから、あえて無理には起き上がらないという選択もありえるでしょう。
 起き上がろうとする者は、【アクロバット】スキルで難易度15の目標ロールを行なってもかまいません。この判定に成功すれば、起き上がりを行なうラウンドのペナルティが−2で済みます。この【アクロバット】による起き上がりは、スキルを持たない者には試みることができません。

(2)不意打ち

 不意打ちについては、GMが常識を働かせて適切に判断してください。以下に、いくつか目安となるようなケースを挙げておきます。
攻撃に気づいていない場合
 攻撃された側が攻撃に気づく余地がなければ、一切の防御行動を行なえません。攻撃は自動的に命中します(攻撃側の疲労の有無を判定するため、ダイスは振ります)。
突然切りかかられた場合
 至近距離での会話中などに突然切りかかられた場合であれば、攻撃側のロール値を難易度として【第六感】で目標ロールを行なえば良いでしょう。これに成功すれば、ロール値に−4のペナルティを受けながらも防御行動を行なえます。もし【第六感】による目標ロールに失敗すれば、一切の防御行動を行なえずに攻撃は命中します。
物陰から襲いかかられた場合
 物陰に隠れていた者が通りかかった者に切りかかった場合であれば、まず、隠れていた側は【潜伏】、襲われた側は【第六感】で比較ロールを行ないます。【潜伏】側が勝てば、続いて行なわれる攻撃の処理において、防御側はロール値に−4のペナルティを受けてしまいます。【第六感】側が勝てば、防御側は−2のペナルティで済みます。もしも【潜伏】と【第六感】との比較ロールが同値だった場合には、便宜上、決着がつくまで比較ロールを繰り返してください。
 ただしこのケースでは、通りかかった者が、攻撃側が潜んでいる場所に近づくまでに、誰かが隠れていることに気づくかもしれません。事前に【潜伏】と【捜索】とで比較ロールを行なった方が良いでしょう(「スキル>偵術スキル>潜伏」参照)。

(3)上空からの攻撃

 飛ぶことのできる者は、相手の頭上から攻撃を行なうことが可能です。
 頭上から攻撃を行なう場合は、地上への攻撃のロール値および地上からの攻撃に対する防御行動のロール値を+1できます。

選択ルール

 GMは独自の判断で、以下の一部もしくはすべてのルールについて採用してもかまいません。
 以下に選択ルールとして挙げた行動オプションについても、通常の行動オプションと同様に「ラウンドの最初にその旨を宣言しなければならない」ことに注意してください。

1.戦闘全般に関すること

行動宣言順
 IQが小さい者から順番に、そのラウンドでの自分の行動を宣言していきます。IQが高い者ほど、全体の戦況を把握したうえで自分の行動を決めることができるわけです。もしIQが同じ者がいた場合には、D6を振り合って大きい目を出した者が後から行動を宣言できます(同じ目が出た場合は、決着が付くまで振り直します)。原則として、行動宣言の順番はこのときに決めた順番で固定されます。行動宣言の際に表明していなかった行動は、そのラウンドには一切認められません。
 このルールは、ある意味では理に適ったものと言えますが、その一方で戦闘時の処理が煩雑になりがちです。GMは「行動宣言順」を採用するのか否か(あるいは、重要な戦闘に限って「行動宣言順」を採用する、というスタンスも考えられます)を、セッション開始前にプレイヤーに必ず明示するようにしてください。
 「行動宣言順」を採用している場合は、「ラウンドの最初」とはまさに「各自が行動宣言を行なっている最中」と同義です。「ラウンドの最初」に宣言する必要がある行動オプションは、自身の行動宣言の手番の際に宣言してください。

2.接近戦に関する行動オプション

強打
・加算C値:+1
・攻撃終了時に1点疲労。

 もともと加算C値を持たない武器では、強打はできません。
急所狙い
・装甲無視C値:−1
・攻撃終了時に1点疲労。

 もともと装甲無視C値を持たない武器では、急所狙いはできません。
連続攻撃
・命中:−2
・1ラウンドに1体に2回攻撃、もしくは2体に1回ずつ攻撃できる。
・攻撃終了時に1点疲労。
武器狙い
・命中:−2
・行動順番は、必ず最後になる。
・攻撃終了時に1点疲労。

 武器を持っている者を攻撃するときに、相手が手に持っている武器を落とすことを狙います。
 武器狙いが命中した場合は、攻撃側と防御側の双方がダメージの算出を行なってください。双方のダメージを比較して、攻撃側のダメージが防御側のダメージ以上だった場合には、防御側は武器を足元に落としてしまいます。ただし、防御側が武器を両手で持っていた場合は、片手が武器から離れるだけです。
 落としてしまった武器を拾い上げるためには、1ラウンドが必要です。両手で持っていた武器から片手が離れてしまった場合は、そのまま片手で戦うか(持ち手が1〜2の武器の場合)、両手に持ち直してから攻撃するかを選んでください。前者の場合は、武器の扱いが両手持ちから片手持ちになるだけです。後者の場合は、1ラウンドの間だけ、攻撃や武器による受けに−2のペナルティがつきます。

3.飛び道具に関する行動オプション

(1)射撃

急所狙い
・命中:+1〜+3
・装甲無視C値:−1〜−3
・射撃終了時、もしくは狙いの効果が失われた瞬間に1点疲労。

 1ラウンド狙いをつけるごとに、命中のロール値を1ずつ増やせます。また、攻撃が命中した場合には、「狙いをつけていたラウンド数」と同じだけ装甲無視C値を下げることができます。狙いをつけていたラウンド数に関わらず、疲労は1点です。
 狙いをつけている間は射手の手番のときに、射手は【潜伏】、狙われている方は【第六感】をベースにして、毎ラウンド比較ロールを行ないます。ロール値が同値の場合は、便宜上、決着がつくまで判定を繰り返してください。狙われている方が射手の存在に気づいた場合は、ただちに狙いの効果がすべて失われます。
 この比較ロールの成功をもって1ラウンドの「狙い」に成功したことになり、射手の任意で、ただちに射撃が命中するかどうかの判定を行なってもかまいません。つまり、狙いをつけるのが1ラウンドであれば、そのラウンドのうちに命中するかどうかを判定できるわけです。もしも3ラウンド狙いをつけるのであれば、3回目(3ラウンド目)の比較ロールに成功した瞬間に、ただちに命中するかどうかを判定することになります。
連続攻撃
・命中:−2
・1ラウンドに1体に2回攻撃、もしくは2体に1回ずつ攻撃。
・攻撃終了時に1点疲労。

 攻撃に準備が1ラウンド必要な武器でこのオプションを使えば、連続攻撃はできませんが準備ラウンドなしで攻撃することができます。

(2)武器投げ

全力投げ
・命中:−2
・射程距離:×2
・攻撃終了時に1点疲労。
急所狙い
・装甲無視C値:−1
・攻撃終了時、もしくは狙いの効果が失われた瞬間に1点疲労。

 1ラウンドを、狙いをつけるために費やさなければなりません。狙いをつけて武器を投げるまでの間は、能動的な行動が一切できません。また、この間に防御などの行動をとった場合も、狙いの効果は失われます。
連続攻撃
・命中:−2
・1ラウンドに1体に2回攻撃、もしくは2体に1回ずつ攻撃。
・攻撃終了時に1点疲労。

4.その他の行動オプション

気力を振り絞る
 気力を振り絞ったラウンドは、衰弱によるペナルティを無視できます。
 気力を振り絞ると、ラウンドの最後に1点疲労します。
チャージ
 相手との距離が「移動力×1m」を超えており、なおかつ「移動力×3m」以内のときは、全力移動で突進して距離を詰め、そのままの勢いを利用してチャージ攻撃を行なうことができます。チャージ攻撃を終えた時点では、チャージ側は攻撃目標の傍を駆け抜け、ちょうど「移動力×1m」ほど離れた地点にいるものとします(相手との距離が「移動力×1m」を超えていないので、次のラウンドに続けてチャージを行なうことはできないということです)。
 チャージは予備動作が大きい攻撃です。相手に攻撃の軌道を読まれやすいため、攻撃の際のロール値が−2されます。また、全力移動で突進しているわけですから、チャージ側が攻撃にさらされた場合にはあらゆる受動行動のロール値に−4のペナルティを受けてしまいます。しかし、チャージは命中すると相手に危険な一撃を与える可能性があります。ダメージが+4されるうえに、相手を転倒させることができるかもしれないのです。チャージで1点でもダメージを負った者は、【アクロバット】で難易度14の目標ロールに失敗すると、転倒してしまいます。
 飛ぶことのできる者は、また、空中からのチャージも可能です。ただし、空中からのチャージは地表スレスレまで急降下して反転上昇というヒット&アウェイ方式となり、駆け抜けるわけではないので、突進の威力を最大限に活かすことができません。そのため、通常のチャージとは異なり、与えるダメージへのボーナスは+2しかありませんし、相手を転倒させることもありません。
 チャージ攻撃を行なうと、攻撃終了時に1点を疲労します。
移動攻撃を迎撃する
 この行動オプションは、「行動宣言順」を採用している場合にのみ選択可能です。
 移動攻撃(チャージ攻撃を含む)を受ける側は、行動宣言が相手よりも後にできるのであれば(つまり相手の移動攻撃を知りえていれば)、移動攻撃を仕掛けてきた相手を攻撃対象とすることができます。ただし、この「迎撃」のタイミングは、ラウンドの最後になってしまいます。また、当然ながら、そのラウンドには他の能動的な行動を取ることはできません。
 相手よりも行動宣言が先であっても、移動攻撃に備えて「実際に移動攻撃が行なわれた場合には迎撃する」という行動を取ることは可能です。もっとも、迎撃態勢にあることが知られている以上、相手が移動攻撃そのものを行なわない可能性は高くなるでしょう。

5.重傷と大出血

 この選択ルールを採用する場合、クリティカルヒットを受けた被害者は特定の部位に「重傷」を負ってしまいます。また、実際に受けたダメージ量によっては、厄介な「大出血」を引き起こす可能性もあります。

(1)重傷

 クリティカルヒットを受けたときは、ただちに2D6を振って<重傷部位決定表>を参照し、どの部位に「重傷」を負ったのかを確認してください。

<重傷部位決定表>
2D6重傷部位
3・4利腕
右脚
6〜8
左脚
10・11逆腕
12

 重傷部位が決まったら、今度は<重傷ペナルティ決定表>を参照してください。重傷を負ってしまった者は、重傷部位に対応する数値すべてに−1のペナルティを負います。これを「重傷ペナルティ」といいます。
 重傷ペナルティは、クリティカルヒットを被るたびに(重傷を負うたびに)累積していきます。

<重傷ペナルティ決定表>
重傷部位重傷ペナルティ
・VT抵抗以外の、あらゆる判定ロール
・さらに<頭部重傷表>を参照する。
※加算クリティカル=装甲による軽減分は無視。
利腕 ・利腕を用いる攻撃・受けなどの判定ロール
・すべての運動系スキルの判定ロール
・以下の知識系スキルの判定ロール:【治療】【馬車操縦】
・以下の偵術系スキルの判定ロール:【隠蔽】【開錠】【すり】【縄抜け】【変装】【ロープワーク】【罠操作】
・以下の文化系スキルの判定ロール:【楽器】【細工】【ジャグリング】【調理】【手品】【描画】
・与えるダメージ(利腕を用いる場合)
※装甲無視クリティカル=この手に持っていた物を落とす(武器などを両手で持っていれば片手が離れる)。
逆腕 ・逆腕を用いる攻撃・受けなどの判定ロール
・以下の運動系スキルの判定ロール:【アクロバット】【乗馬】【水泳】【登攀】【ボート】
・以下の知識系スキルの判定ロール:【治療】【馬車操縦】
・以下の偵術系スキルの判定ロール:【隠蔽】【開錠】【縄抜け】【変装】【ロープワーク】【罠操作】
・以下の文化系スキルの判定ロール:【楽器】【細工】【ジャグリング】【調理】【手品】
・与えるダメージ(逆腕を用いる場合)
※装甲無視クリティカル=この手に持っていた物を落とす(武器などを両手で持っていれば片手が離れる)。
右脚
ないし
左脚
・回避の判定ロール
・以下の運動系スキルの判定ロール:【アクロバット】【水泳】【登攀】
・以下の偵術系スキルの判定ロール:【忍び歩き】【潜伏】【縄抜け】【尾行】
・以下の文化系スキルの判定ロール:【ジャグリング】【舞踏】
・移動力
※加算クリティカル/装甲無視クリティカル=その場で転倒する。
・WP抵抗以外の、あらゆる判定ロール
・与えるダメージ
※加算クリティカル=装甲による軽減分は、疲労ダメージとして被る。

<頭部重傷表>
2D6頭部重傷
一瞬で、死亡状態に至るだけの疲労ダメージを負い、そのまま死亡する。
瀕死。
一瞬で、死亡状態まであと1点というところまで疲労ダメージを負い、そのまま昏倒する。
ただちに完全に視力を失う。
古傷になる前なら「キュア・ブラインドネス」で治せる。
もとより視力を持たない相手なら、付帯効果なし。
一時的な視力障害。
2D6分の間、視力を失う。
もとより視力を持たない相手なら、付帯効果なし。
手に持っていた物を落とす(武器などを両手で持っていれば片手が離れる)。
両手が塞がっていた場合は、どちらの手かはランダムに決める。
もとより相手が素手なら、付帯効果なし。
転倒。
もとより転倒しえない相手なら、付帯効果なし。
意識朦朧。
次のラウンド終了まで、あらゆるロール値に−2のペナルティ。
もとより意識を持たない相手なら、付帯効果なし。
ひどい意識朦朧。
次のラウンド終了まで、あらゆるロール値に−4のペナルティ。
以後、毎ラウンド1ずつペナルティは軽減されていく。
もとより意識を持たない相手なら、付帯効果なし。
10極めてひどい意識朦朧。
次のラウンド終了まで、あらゆるロール値に−4のペナルティ。
以後、毎ラウンド1ずつペナルティは軽減されていくが、−1のペナルティは24時間後まで残る。
もとより意識を持たない相手なら、付帯効果なし。
11瞬間的に気絶する。
一瞬で、昏倒状態に至るだけの疲労ダメージを負う。
もとより意識を持たない相手なら、付帯効果なし。
12瞬間的に気絶する。
一瞬で、昏倒状態に至るだけの疲労ダメージを負う。
目覚めたときには、自分や人間関係についての全ての記憶を失っている。
もとより意識を持たない相手なら、付帯効果なし。

 <頭部重傷表>を何度か参照した結果、重複し得ないような結果(完全に視力を失ったあとで一時的な視力障害を負うなど)になった場合は、新しいほうの結果を無視してください。
重傷ペナルティの解消
 重傷ペナルティは、通常の自然治癒や「キュア・ウーンズ」では解消できません。傷の回復とは別に適切な処置を行なわない限り、負傷ダメージが治ったとしても当該箇所に違和感や酷い痛みなどが後遺症として残ってしまう(=重傷ペナルティは消えない)のです。
 重症ペナルティを解消するための呪文として、聖導呪文の中に「トリート・シリアスウーンズ」があります(この項の選択ルールを採用しない場合には、意味をなさない呪文です)。
 あるいは、「重傷時のダメージ」を難易度にした【治療】(スキルなし不可)を成功させ、その後に「重傷時のダメージ×2」日を安静に過ごせば、重傷ペナルティは解消されます(それまでの間は、重傷ペナルティを免れません)。安静が破られてしまった場合、その瞬間から重傷に対する【治療】の効果は完全に失われますが、あらためて【治療】を成功させてから「重傷時のダメージ×2」日を安静に過ごせば、重傷ペナルティは解消されます。
 <頭部重症表>によるペナルティについては、上記のルールの適用外です。後遺症や解消方法については、すべて表中の記述に従ってください。
古傷
 上記のような適切な処置を施さないままで丸7日(一度は適切な【治療】を施したが安静が破られてしまった場合は、安静が破られた日から丸7日)が過ぎてしまうと、重傷を負った場所は「古傷」として完全に身体に定着してしまいます。古傷になってしまうと、もはや「トリート・シリアスウーンズ」でも【治療】でも治せません。
 古傷となった場合、重傷ペナルティは「能力値の恒常的低下」という形に切り替わってしまいます。低下する能力値は、重傷を負った箇所によって異なります(以下を参照。挙げられている能力値−1)。

古傷を抱える部位
(元の重傷部位)
低下する
能力値
IQ、WP
利腕ないし逆腕DX、ST
右脚ないし左脚DX
ST、VT

 複数の重傷がある場合、能力値の低下量も重複します。当然ながら、その能力値が関わる数値が――HPやスキルLVに至るまで――すべて劣化します。
 重傷ペナルティを古傷にまで進行させてしまうと、それまで使えていた呪文が使えなくなる、愛用の武器・防具が使いこなせなくなる、などの極めて深刻な状況に陥ることもありうるので、注意が必要です。

(2)大出血

 クリティカルヒットの際に実際に負った負傷ダメージが12点以上だった場合は、「大出血」が生じます(もとより出血しない相手なら効果はありません)。
 大出血している場合、戦闘中は毎ラウンド1点の疲労ダメージを負います。非戦闘時でも、「止血前」であれば毎分1点、「止血作業中」は2分ごとに1点の疲労ダメージを負います。
 こうした大出血の効果は、大出血にいたる負傷の数が増えれば、そのぶん重複していきます。
大出血の解消(止血)
 大出血に対して「止血」を試みるには、施術者と患者がともに安静を保てる状態で、1分ごとに【治療】で判定ロールを行なわねばなりません(もし患者が自分で止血を試みるなら、ロール値−2)。何度か判定ロールを繰り返し、ロール値の累積が100になれば止血完了です。
 止血完了後であっても、歩く以上の負荷をかけると止血効果は失われてしまい、「止血作業中(累積ロール値50)」扱いとなります。この状態でさらに負荷をかけると、傷口が完全に開いてしまいます(「止血前」扱い。毎分1点の疲労ダメージ)。
 止血完了後、「重傷時のダメージ」が完全に回復するまで安静にしていれば、傷口は塞がりますが傷跡が残ります。「キュア・ウーンズ」の呪文などによって、大出血時のダメージを完全に回復させることができれば、傷跡が残ることはありませんから、魔法が存在する世界ではそれが一番手っ取り早い回復方法と言えるでしょう。


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