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ファンタジー/種族

種族

1.能力値

(1)種族の決定

 キャラクターの種族は、プレイヤーが任意に決めることができます。もし種族をランダムに決定したいと思うなら、〔種族決定表〕を利用すると良いでしょう。

〔種族決定表〕
2D6種族
ミゼットもしくはワービースト
3〜4エルフ
5〜9人間
10〜11ドワーフ
12ミゼットもしくはスルス

(2)能力値の決定

 キャラクターの能力値は〔初期能力値決定表〕に従って算出します。

〔初期能力値決定表〕
種族IQDXSTWPVT
人間2D3+12D3+12D3+12D3+12D3+1
エルフ2D2+32D2+32D3+02D2+22D3+0
ドワーフD4+22D2+22D2+32D3+12D2+3
ミゼット2D3+1D2+52D2+02D3+12D2+2
スルス2D3+0D2+3D2+7D4+12D2+3

 PCの能力値が以下の基準に当てはまる場合は、GMの判断で振り直しを許してもかまいません。

・人間:IQとDXの合計が8以下。
・エルフ:STとVTの合計が6以下。
・ドワーフ:IQとDXの合計が8以下。
・ミゼット:STとVTの合計が6以下。
・スルス:IQとDXの合計が7以下。

(3)性別による修正

 キャラクターの性別は、プレイヤーが任意で決めることができます。もし性別をランダムに決定したいと思うなら、〔性別決定表〕を利用すると良いでしょう。
 女性キャラクターは、STが−1される代わりにWPが+1されます。ただし、この修正の結果、各種族の各初期能力値の上限・下限を超える能力値にはなりません。その場合は、それぞれ上限あるいは下限が能力値となります。

〔性別決定表〕
D6性別
1〜5男性
女性

2.種族の概要(イラスト:BLACK)

人間

(1)人間(ヒューマン)

追加初期経験点=8点
【共通語】3TP
専門性1のスキル2種類を1TPずつ
特徴
 平均的な身長は1.5〜1.9m程度です。
 60歳前後が平均的な寿命で、15歳で成人とみなされます。
 これといった特徴がないのが、ヒューマンの特徴といえます。他の種族に標準を大きく逸脱した個体がほとんどいないことに比べると、ヒューマンの個体差は非常に大きいと言えます。そのため、「これが人間だ」と端的に形容することは難しいのです。
 肉体的な個体差だけでなく、例えば善悪の判断基準や価値観など精神的な個体差も、他の種族に比べると非常に多様化しています。それがために、しばしば同種族どうしで大規模に争い合うこともあります。
 ヒューマンは、その多様性と順応性、そして貪欲さ(良い意味でも、悪い意味でも)から、いまでは世界の中心的存在と呼べるほどに人口を増やし、繁栄しています。
 彼らは、大きな町を要所要所に築き、その間に無数に点在する集落などを含めて、国家という統治単位で大型のコミュニティを形成しました。集落では主に一次産業が営まれ、食糧や各種の素材(金属・木材・石材など)をコミュニティ全体に供給する仕組みができています。また、食料や各種の加工物などの物品の流通を円滑に進めるために、「貨幣」も発明しました。
 こうした「流通経済」や「社会」の構築に成功したことが、ヒューマンが大きく繁栄できた理由のひとつと言えるかもしれません。
エルフ

(2)エルフ

追加初期経験点=9点
【エルフ語】3TP
【聞き耳】2TP
特徴
 体格的には細身で、ヒューマンよりひとまわり小柄です(身長1.5〜1.7m程度)。顔立ちは総じて美しく整っており、耳が長く尖っています。
 寿命は、ヒューマンの4倍程度(平均寿命240歳)です。60歳で成人とされます。
 主に森の中に集落を作って暮らしており、平穏で優雅であることを好みます。極力外界との接触を避けたがる傾向があります。長命の種族ゆえに向上心や欲望に乏しく、一方で他種族に対する優越感を持つ者も少なくありません。ドワーフたちの美しいとは言いがたい容姿やガサツな言動を、特に嫌悪しています。まれに人間たちの社会をはじめとする外界に興味を持ち、村を出る若いエルフもいます。
 武器は弓や剣を好みますが、それ以上に魔法の力を頼みとする傾向があります。
 ヒューマンと種の交流が可能です。ヒューマンとの間にできた子どもはハーフエルフとなります。ちなみに、ハーフエルフとヒューマンの間に生まれた子はヒューマンになり、ハーフエルフとエルフの間に生まれた子はエルフになります。系列にエルフがいた場合には、ごくまれにヒューマンどうしの夫婦からエルフが生まれることがあります。同様に、系列にヒューマンがいた場合には、エルフどうしの夫婦からヒューマンが生まれることもあります。こうしたことはあまり知られておらず、いずれのケースも赤子が共同体から好意的に受け入れられることは稀で、ひどいときには血縁者からも忌避されるでしょう。
ハーフエルフについて
 ハーフエルフの能力は、能力値ひとつずつに対して、ランダムにヒューマンもしくはエルフに準じて算出してください。運が悪ければエルフとヒューマンの短所だけを受け継いだハーフエルフが生まれるでしょうし、運が良ければ長所だけを受け継いだハーフエルフが生まれるでしょう。
 ハーフエルフの体格については、STをどちらの種族で算出したかによって、それに準じてください。エルフの整った顔立ちと尖った耳を受け継いでいますが、耳の尖り方は純粋なエルフよりも緩やかになります。また、顔立ちについても、どことなくヒューマンの血を感じさせる骨太さが残ることがあります。
 ハーフエルフの寿命はヒューマンの2倍程度(平均寿命120歳)です。成人とみなされる年齢は、育った社会に準じます。育った社会が人間社会であれエルフ社会であれ、いずれの社会からも迫害の対象とされがちです。人間社会ではそのエルフ譲りの整った容貌が、幸運や不幸を招くかもしれません。
 ハーフエルフの初期経験点は、9点です。習得しなければならないスキルは、少し複雑です。まず、言語ですが、「【共通語】3TP」「【エルフ語】3TP」「【共通語】2TP、【エルフ語】2TP」の3パターンのうちのひとつを選択します(そのキャラクターの生い立ちによります)。それから、【聞き耳】1TPも取得しています。以上に加えて、専門性1のスキル2種類を1TPずつ取得してください。
ドワーフ

(3)ドワーフ

追加初期経験点=9点
【ドワーフ語】3TP
【暗視順応】2TP
特徴
 身長は1.3m前後ですが、体重は80kg前後あります。まさに酒だる、といった体型です。男性は髭を豊かに蓄えていますが、さすがに女性までもが髭を伸ばしているというのはデマです。
 寿命はヒューマンの2倍程度(平均寿命120歳)です。30歳で成人とされます。
 主に山岳地などの坑道内もしくはその周辺に集落をつくっています。彼らドワーフを大地の妖精族だとする説がありますが、それにしては俗っぽい種族だという気がしないでもありません。無頓着で些細なことにはこだわらない性格ですが、一念発起したときには驚くべき執着を示します。一般的に、非常に頑固で義に篤い種族だとされます。
 コボルドやゴブリン、オークなどとは生活圏が重複することも多く、絶えず憎しみあっています。また、ドワーフ族の多くは、エルフ族を鼻持ちならない者たちだと感じているようです。
 武器は斧や鈍器などの無骨なものを好みます。
 他種族との種の交流は不可能です。
ミゼット

(4)ミゼット

追加初期経験点=9点
【共通語】3TP
【アクロバット】1TP
【忍び歩き】1TP
【潜伏】1TP
特徴
 男女ともに、成人しても身長は1m前後です。一見すれば、ヒューマンの子どもにしか見えません。しかし、よくみればミゼットの耳は少し尖っているので区別がつくでしょう。
 寿命はヒューマンと同程度です。15歳で成人とされます。
 ミゼット族は、草原や森の中に集落を作って暮らしていますが、一般に好奇心に溢れる種族として知られるとおり、集落での暮らしを退屈に感じで外へ出る者も多いようです。
 彼らの足の裏には毛が生えていると信じられているようですが、決してそのようなことはありません。また、一日に五〜六回もの食事をとるという噂についても、事実ではありません(確かに体格のわりには大食漢かもしれませんが、食事は普通に一日三回です)。ミゼットたちは、他の種族からそのように問われると憤慨して否定します。いわく「そんな根も葉もない噂の出所は一体どこなんだ! まったく腹立たしい!」だそうです。
 他種族との種の交流は不可能です。
スルス

(5)スルス

追加初期経験点=8点
【スルス語】3TP
専門性1のスキル2種類を1TPずつ
特徴
 全体的に筋肉質で、体格はヒューマンよりもふたまわりほど大きいです(成人男性2.0〜2.3m、成人女性1.8m〜2.0m)。下顎に小さく尖った犬歯(牙)が1対あることと、髪の色が美しい純白であること、そして赤い瞳を持つことが彼らの特徴です。
 寿命はヒューマンと同程度です。15歳で成人とされます。
 ルーツについては、太古の巨人の血を引く種族だとも、悪魔の血脈だとも、あるいはいにしえの魔術が生んだ肉体労働のための奴隷種だとも噂されますが、本当のところは分かっていません。いずれにせよ、社会的に忌み嫌われていることに変わりはなく、人々はスルスの強靭な肉体と妖しくも美しい赤い瞳に対して、恐れと羨望と侮蔑が入り混じった複雑な思いを抱いています。しかし、種として邪悪であったり強暴だという事実はありません。
 スルス族の集落は、山岳や丘陵地帯にわずかながら点在していますが、そういった集落に暮らすスルスたちは、まさに「気は優しくて力持ち」な存在です。もっとも、人間社会で暮らすスルスたちは、人々の偏見に晒される宿命がゆえに、性格が歪んでしまうことも少なくありません。
 ヒューマンとの種の交流は可能ですが、子どもは必ずヒューマンになります。系列にスルスがいた場合には、ごくまれにヒューマンどうしの夫婦からスルスが生まれることがあります。同様に、系列にヒューマンがいた場合には、スルスどうしの夫婦からヒューマンが生まれることもあります。こうしたことはあまり知られておらず、いずれのケースも赤子が共同体から好意的に受け入れられることは稀で、ひどいときには血縁者からも忌避されるでしょう。
 【聖導】【召喚魔法】【精神魔法】は習得できません。

(6)ビーストクラン

追加初期経験点=8点
【共通語】3TP
専門性1のスキル2種類を1TPずつ
特徴
 太古の時代、戦争の道具として利用する目的で、奴隷階級の者に魔法的実験を施すうちに誕生した種族だと言われています。ワービーストとの相関が指摘されることもありますが、両者の間に関連性はありません。
 彼らビーストクランは、普段の生活においてはごく普通の人間の姿をしていますが、自らの意志で獣化できる(あるいは人間の姿に戻れる)という特殊能力を持っています。狼に獣化できるウルフクラン、虎に獣化できるタイガークラン、熊に獣化できるベアクラン、大蛇に獣化できるパイソンクランなどが知られていますが、他にも亜種が存在するという噂もあります。
 ビーストクランは、そのままずばり狼や虎などに変化するわけではなく、あくまでも似て非なる別の生き物に変化する点とに注意してください。例えば、ウルフクランが獣化しても、本物の狼たちと意志の疎通が可能になったりするわけでもありませんし、彼らと寸分違わぬ能力を行使できるというわけでもありません。また、変身した姿でも人格や理性を失うわけではありませんし、言葉も理解できます(声帯が変わるので話すことはできなくなりますが…)。
 種の起源が奴隷階級であったという過去に対する侮蔑や偏見、獣に変身するという脅威、あるいは奇病「ゾアントロピィ」との混同など、ビーストクランが忌避される理由には事欠きません。そのため、ビーストクランであることが露見すれば社会的な致命傷となりかねず、彼らは自らの正体をできるだけ隠そうとします。
 ヒューマンとの種の交流は可能です。しかし、生まれてくる子どもは必ずビーストクランとなり、親と同種の生き物に変化する能力を持ちます。こうした遺伝における優位性ゆえに、今日まで(極めて細々とではありますが)ビーストクランの血は途絶えることなく受け継がれてきました。もし、両親がともに別種のビーストクランである場合、その子どもの種はランダムでいずれかに決まります。
目覚め
 ビーストクランの獣化能力は、種族固有の能力です。ですから、肉体的な見地からは仮に生まれたばかりの赤ん坊であっても獣化が可能なはずです。しかし、獣化の際に獣の姿を強くイメージする必要がある(そして、人の姿に戻るさいには、普段の自分自身の姿を強くイメージする必要がある)ため、少なくとも獣の存在を知覚・認識できる程度に知能が成長しなければ、現実問題として獣化できません。
 いずれにせよ、ビーストクランは、遅かれ早かれ初めての獣化を迎えることになります。大抵の場合、その獣化を手ほどきするのは親のビーストクランです。
 獣化は、さほどの訓練を詰まずとも、コツをつかめば自分の意志ですぐに自由にできるようになります。そのため、特別に獣化の手ほどきを受けないまま、偶然に初めての獣化を迎えてしまうケースもありえます。そうしたビーストクランは一時的なパニックに陥ってしまい、なかなか人の姿に戻れずに暴れてしまうこともあるようです。しかし、獣化している間でも知性が失われてしまうわけではありませんから、周辺のサポートさえあれば人の姿を取り戻すのはさほど難しくはないでしょう。
獣化について
 ビーストクランの獣化ないし獣化からの復帰は、そのたびに1点の疲労を必要とします。変身に必要な時間は2ラウンドで、身に着けていた布などは破損して使い物にならなくなります。もし鎧を身に着けた状態で獣化した場合には、鎧の中で獣の身体が強く圧迫されて苦しむことになり、下手をすればそのまま死んでしまうかもしれません(毎ラウンド6点の疲労)。ただし、パイソンクランだけは例外です。蛇化には手足の退化をともなうため、1ラウンド余分に費やせば、巧く衣類や鎧をすり抜けられます。
 獣化すると、能力値が変化したり獣化後の形態に応じたスキルを発揮できるようになります。能力値の変化は、それに伴うその他の数値(HP、移動力、スキルLVなど)に影響します。また、習得スキルのうちIQ系スキルのほとんどは、獣化後でも継続して発揮できます。もちろん、手指を使ったり声帯を使うなど、人体の構造に依存するスキルについては、獣化している間は発揮できません。魔法については、チャントとモーションを欠くことによるペナルティを甘受すれば、特に問題なく呪文を行使できます。
 もし、獣化によってもたらされるスキルが習得スキルと重複する場合には、獣化中のスキルTPを優先してください。

ウルフクラン

獣化時の能力値
DX+1、IQ−1
走行移動力はDX+14、装甲1
獣化時の攻撃手段
牙=PS:ST−6 C値:−/11 武器受け:不可 射程:−
獣化によってもたらされるスキル
総合LVに等しいTP=【接近戦】(特化:牙、回避)【味覚】【忍び歩き】
総合LV×1/2TP(端数切捨て)=【水泳】【聞き耳】【潜伏】
1TP=【アクロバット】

タイガークラン

獣化時の能力値
DX+1、IQ−1、ST+4、VT+1
走行移動力はDX+14、装甲1
獣化時の攻撃手段
前足=PS:ST−7 C値:3/12 武器受け:不可 射程:−
牙=PS:ST−6 C値:−/11 武器受け:不可 射程:−
獣化によってもたらされるスキル
総合LVに等しいTP=【接近戦】(特化:前足、牙)
総合LV×1/2TP(端数切捨て)=【水泳】【味覚】【聞き耳】【忍び歩き】【潜伏】
1TP=【登攀】

ベアクラン

獣化時の能力値
DX+1、IQ−1、ST+5、VT+1
走行移動力はDX+14、装甲1
獣化時の攻撃手段
前足=PS:ST−7 C値:3/12 武器受け:不可 射程:−
牙=PS:ST−6 C値:−/11 武器受け:不可 射程:−
獣化によってもたらされるスキル
総合LVに等しいTP=【接近戦】(特化:前足)【味覚】
総合LV×1/2TP(端数切捨て)=【水泳】【聞き耳】【忍び歩き】
1TP=【登攀】【潜伏】

パイソンクラン

獣化時の能力値
DX+1、IQ−1、ST+1、VT+1
走行移動力は通常の半分(端数切捨て)
獣化時の攻撃手段
巻きつき=PS:− C値:−/− 武器受け:不可 射程:−
締めつけ=PS:ST−5 C値:5/− 武器受け:不可 射程:−
(「巻きつき」および「締めつけ」については「パイソン」に準じる)
獣化によってもたらされるスキル
総合LVに等しいTP=【接近戦】(特化:巻きつき)【忍び歩き】【潜伏】
総合LV×1/2TP(端数切捨て)=【水泳】【味覚】【登攀】


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