サム | 「STR」「筋力」「腕力」などなど、ルールによっていろんな呼称があるけれど、いわゆる筋力が種族最大値である女性キャラってどう思う? |
五條 | 筋力が種族最大値…というと、まさか。 |
サム | そう、そのまさか。ようするに、イリー… |
五條 | わーわーわー! ダメだよー! 危ないよー! 誰か、サム君とめてー! |
サム |
ええい、うるさい(笑)。 ぶっちゃけて言うと、あの「ゴリラ女=イ●ーナ」をどう思うか、ってことだよ。オレは、この問題は「ファンタジーだから」ではすまないと思うんだわ。 |
五條 | 嗚呼、いま「へっぽこーず信者」が一斉に敵に回る音が聞こえたよ…。orz |
BLACK |
どんな音だよ、そりゃ(苦笑)。 まぁ、サムの言いたいことは分かるが、俺は読み物の登場人物としては「イ●ーナ」はアリだと思うぜ。 だいたい、筋力が種族最大値だと女キャラにはなれません、ってなふうにルールでしばるのはどうも好かん。TRPGってのは、プレイヤーの性別を問わないゲームだけに、男にも女にも不満がないように対等にしておくべきじゃないか? |
デスタイガー | 私はもとより、ルールで何でもかんでも制限するのは反対だ。 |
BLACK | だろ? デスタイガーなら、そう言うと思ったぜ。 |
デスタイガー |
待ちたまえ。早まるんじゃない。 ルールの点だけで言えば、BLACKの言うとおりだと思う。だが、ルールにないからといって何でも許されるというスタンスが、そもそもTRPGをプレイするうえでよろしくない。 お互いの協調と信頼から、TRPGのプレイは生まれる。私は、そこのところを大事にしたいと思うね。 |
BLACK | だが、筋力最大値が出た場合には女キャラができないとなると、プレイヤーの自由を妨げることにならねーか? |
サム | 「筋力で種族最高値が出た。でもこのキャラは女性。なぜなら私が演りたいから」ってのは「自由」とは言わない。暗黙の了解や常識を無視するなら、それは単なる「ワガママ」っていうんだよ。 |
五條 | サム君、このテーマではえらく毒舌だね…(汗)。 |
サム |
そりゃね、その女性キャラがカレリンやボブ・サップ並みの体格なら、オレだって百歩譲るさ。しかし「見た目は普通の女の子で種族最強の筋力」となると、これはもうコメディの世界だよ。 そういう意味で、「イ●ーナ」の存在が許されている以上、あのシリーズは「デュダ」と同じく「フォーセリアのパラレル・ワールド」としか思えないんだわ。 |
デスタイガー | それは言える。もしどうしても「ありえないキャラ」を演りたいのであれば、何らかの理由付けをもって周りを納得させる必要があるだろう。 |
サム | エルフの筋力最強は、オーガーの筋力最強に決して匹敵しえない。この「常識」が覆ったら大騒ぎするくせに、女性の筋力最強が男性の筋力最強に匹敵しえないという「常識」には無頓着。これは、おかしいよ。 |
BLACK |
いや、俺もサムやデスタイガーの言っていることは分かってるんだぜ。 だが、ゲームだからこそ「現実にはできない怪力女キャラ」をしたいのかもしれないだろ。そこらへんの自由を初手から奪うのはどうかと思うわけよ。 |
サム |
「現実にはありえない怪力女キャラ」を…というのはごく自然な欲求だと思うよ、確かに。 だけどその場合でも、「現実にはありえない」とは「現実の自分にとってありえない」であって、「現実の女性にとってありえない」であってはならないはずだよ。そこのタガを外す気なら、はじめからギャグ・セッションを謳うべきだと思うね。 |
BLACK |
けどさぁ、たまたま筋力で種族最大値を振ったからって「女キャラじゃなくて男キャラにしろ!」なんて強制できないじゃん。 男キャラならどの数値帯でも許されるのに、女キャラだとツッコミを受けること自体、社会通念の女性像にとらわれているんじゃねーかな。 |
サム | ちょっと待った。オレは筋力最大値なら女性キャラにすべきでない、だなんて言ってないよ。筋力が高い女性キャラなら、せめて体格もマッチョな男性並みであるべきだろう…と、例えばそういうことを言っているんだ。 |
デスタイガー |
いかにも。私は女キャラをロールプレイするのは御免だから、筋力が種族最低値だったとしても男キャラをする。 だが、健康な男が種族最低の筋力というのはありえないのだから、病気とか古傷とか、そのキャラの筋力が人類最低レベルである理由をきちんとキャラ設定に盛り込む。 それが「TRPGゲーマー」ってもんだろう。 |
五條 |
「キャラの性別にこだわるなら、その性別で有り得ない能力である事に対して敏感であれ」ということだね。 キャラの性別を男女いずれかにこだわるということは、つまりは自分で勝手に選択肢を狭めてるってことだもんね。 |
デスタイガー |
「筋力で種族最大値が出たから、女キャラじゃなく男キャラにしろ」などというつまらぬ強制は必要ない。 しかし、強制されなくても常識を働かせるべきであり、それこそがTRPGという遊びに興じる者に求められる資質だと思う。 |
サム |
“男キャラならどの数値帯でも許されるのに、女キャラだとツッコミを受けること自体が、社会通念の女性像にとらわれているんじゃないか”とBLACKは言ったが、この場合、筋力最大値の女性キャラは「社会通念上許されない」のではなくて、「事実としてありえない」んだよ。 そもそも人間の筋力の平均値が10だとしたら、女性の場合は筋力10〜11の時点で、そうとうゴツイ体格をしているはずなんだから。 |
BLACK | いや、分かるよ。理屈は分かるぜ。だが、女キャラの場合だけこうして槍玉にあげられるってのが、どうも腑に落ちないんだわ。(^^; |
サム |
それはさ、男性と女性の筋力の差というのは分かりやすいから、そして「イ●ーナ」という好例(?)があったがために、こうして問題提起したにすぎないんだよ。 この問題提起は、「筋力が馬鹿デカイくせに、小柄で痩せている男性キャラ」はオカシイだろう! …という主張にも繋がる、もっと本質的なものだと考えてほしいな。 その端的な例が「筋力が馬鹿デカイくせに、女性キャラ」であるだけだ。 |
デスタイガー |
現実世界でなら、そこにそれが存在する故に、何があろうと何が起ころうと、それが文字通り「リアル」だ。しかし架空世界で存在しえないものを存在させるためには、逆にそれっぽい理由が要求されるのではないかね。 つまり「本来なら筋力が弱いはずの者(小柄な痩せ男や女性、老人など)がデータ上は物凄い筋力をそなえているのなら、何か理由がないとオカシイ」と思えるセンスが、TRPGゲーマーには求められるのではないだろうか。 |
五條 |
僕もデスタイガー君の意見に賛成だな。 ただし、TRPGでは何でもアリだと勘違いしているプレイヤーは少なくないから、彼らが無茶をできないようにルールで規制すべきだというのが、僕の基本スタンスなんだけどね。 |
BLACK |
なるほどな。 筋力最大値の女キャラを認めるなら、その理由付けがなされているのが好ましい。仮に、筋力最大値の男キャラであっても同様である、と。 その辺がこのテーマの落としどころか? |
サム |
まぁ、そんなところかな。ただ、言われなくても男性で筋力が馬鹿デカイ場合には、それなりに巨漢だったりムキムキだったりするだろう? ところが、これが女性キャラになると、「それなり」なんてどこを探しても見つかるわけがないものだから、無造作に勢いだけで「筋力24の細身の少女」を存在させてしまう。それが、オレは許せないんだよ。 もちろん、あるサークル内で了解しあって「ギャグ・セッション」をやるのなら、好きにすれば良い話だけどね。 |
デスタイガー | だが、その場合でも、TRPGとは「常識と想像力を働かせる遊び」であることは、きちんと意識しておくべきだ。TRPG新世代の人たちというのは、その辺りをどのように考えているのか、ちょっと気になる部分ではあるな。 |
五條 |
そういえば、僕たちロートル(笑)がめくじら立てているだけで、一般にはあまり気にしている様子はないような感じだもんね。 それにしてもデスタイガー君、「新世代」って…。「キン肉マンII世」じゃないんだから(苦笑)。 |